【アパレル企業分析】決算書から読み解くアパレル企業の商品原価・販売管理費用

企業分析
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皆さんは洋服を買うときに商品の原価を意識したことがあると思います。

商品の販売価格に対して原価はいくらくらいでしょうか?

それを紐解くために今回は小売店を中心としたアパレル企業をピックアップして、

それぞれの企業の売上高、商品原価、販売管理費を調べてみました。

以下、最新の決算書の損益計算書から売上高・商品原価・販管費を抜粋しました。

ファーストリテイリング(2019/8決算)

年間売上:2,290,548百万円

売上原価:1,170,987百万円(原価率:51.1%)

販売管理費および一般管理費:854,394百万円(販管費率:37.8.%)

ユナイテッドアローズ(2020/3決算)

年間売上:157,412百万円

売上原価:77,429百万円(原価率:49.1%)

販売管理費および一般管理費:71,224百万円(販管費率:45.2%)

アダストリア(2020/2決算)

年間売上:222,376百万円

売上原価:98,993百万円(原価率:44.5%)

販売管理費および一般管理費:110,497百万円(販管費率:49.6%)

TOKYO BASE(2020/2決算)

年間売上:15,247百万円

売上原価:7,353百万円(原価率:48.2%)

販売管理費および一般管理費:6,598百万円(販管費率:43.2%)


上記4企業をまとめてみました。

どの企業も商品の原価率は50%前後であることがわかります。

分かりやすく言い換えますと、普段買っている商品価格の50%が商品原価、残りの50%が企業の取り分ということになります。

企業が儲けすぎじゃないか!?

と思うかもしれませんが、実際にはそうではありません。

企業の取り分である50%から必要経費である販管費を差し引いた分が、

企業の儲け(営業利益)となります。

営業利益=売上高-商品原価-販管費

アパレル企業の場合、上記企業の平均値をベースに考え、

売上高を100、商品原価50、販管費45と仮定しますと、

営業利益=売上高(100)-商品原価(50)-販管費(45)=5

売上高100に対して、営業利益5となります。

例えば具体的な金額に落とし込みますと、

1億円分の商品を販売しても最終的に手元に残るのは500万円のみとなります。

商品原価に対して販売管理費用を商品代に含めないと、

販売企業が利益を出せないと言うことがわかります。

(それでも最終的な利益はあまり残りません、、)

販売管理費用に含まれますのは、

  • 人件費
  • 店舗の賃貸料
  • 宣伝販促費(EC販売等の広告が中心)

がメインとなってくると思われます。


ただし上記企業の中で、ユニクロ(ファーストリテイリング)のみ販売管理比率が非常に低いです。

他3社の売上高に対する販管費は40%台ですが、ユニクロは37.8%と5-10%ほど他社より低い数字です。

ユニクロの販管費を詳しくみてみます。

2019年8月決算の販管費854,34百万円の内訳は以下の通りになります。

広告宣伝費:74,436百万円(売上比:3.2%)

地代家賃:197,840百万円(売上比:8.6%)

減価償却費:48,476百万円売上比:(2.1%)

委託費:46,197百万円(売上比:2.0%)

人件費:301,456百万円(売上比:13.1%)

その他:185,987百万円(売上比:8.0%)

この中で注目するべき箇所は地代家賃だと思います。

ユニクロは売上高に対して家賃8.6%ですが、例えばユナイテッドアローズの地代家賃の数字を見てみますと、

売上高157,417百万円に対して賃貸料22,545百万円(売上高の14.3%を占める)となっております。

売上高の比率でみると、ユニクロはユナイテッドアローズに対して6%弱も売上に占める家賃比率が低いです。

※EC比率が高いTOKYO BASEでさえ売上高に占める家賃比率は11.8%です。

理由はおそらく、店舗あたりの販売力の違いだと思います。

ユニクロのほうが1店舗あたりの集客力、販売力があり、

土地代、テナント代が売上に対しては抑えられているのだと思います。

ちなみに人件費はユニクロが売上に対して13%、ユナイテッドアローズが14.3%でしたので、

それほど違いがありませんでした。

ユナイテッドアローズは商品単価が高いので、

接客含む人件費にコストが掛かっているのかと思っていましたが、

実際はそうではなかったです。

一般消費者に目線から見ますと、

原価率に関してはどの企業もおおよそ同じということが言えます。

ユニクロは薄利多売で商売をしているわけではなく、

ほかのアパレル企業にも劣らない原価率で、

それでも消費者にとって十分な商品価値を提供しております。

企業目線でみると利益を稼ぎだす力はユニクロが群を抜いていることがわかりました。

ユニクロは効率のよい経営をしていると改めて感じました。

以上!

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