【ロコンド】企業分析/他社ECとの比較

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事業内容について

ロコンドとは

同社の事業内容については、以下サイトより引用させて頂きます。

株式会社ロコンドは東京都渋谷区に本社をおく企業。2010年に株式会社ジェイドとして設立され、翌2011年に靴の通販サイト『LOCONDO.jp』を開設した。2017年3月に東証マザーズへ株式上場を果たす。現在は田中裕輔氏がCEOを務めている。


消費者向けのEC事業(B2C)、ブランド企業向けのプラットフォーム事業(B2B) の2つの事業を運営。通販サイト『LOCONDO.jp』では、「ネットでは靴は買えない」という障害を無くすため、「自由に試着できる通販サイト」をコンセプトとしている。

https://strainer.jp/companies/10191

ロコンドは簡潔に以下の2事業に分けられます。

・ファッションECモール事業(ロコンド、ファッションウォーカーの運営)
・プラットフォーム事業(他社ブランドの自社EC支援)

ECモール事業

ECモール事業は自社ECサイトであるロコンド、ファッションウォーカー運営、また他社モール(楽天、ヤフー等への出店)です。
同社の取扱高の8割はECモール事業で、同社の主軸事業となっております。

主力事業のロコンドについて

ロコンドのコンセプトは靴に特化した通販サイトです。
EC事業の売上高構成比は、靴が6~7割、バッグが2割、衣料品が2割程度です。

靴&ファッション通販 ロコンド〜自宅で試着、気軽に返品
約3000ブランドを公式取扱中の靴&ファッション通販。即日出荷・サイズ交換無料・返品無料。パンプスもブーツもサンダルもフラットシューズもスニーカーもビジネスもバッグもアパレルもアクセサリーも時計も全て自宅で楽ちん試着!

ロコンドでは「試着OK、サイズ交換の返品は送料無料」を謳っております。
ECでの購入のデメリットはサイズ感が分からない、とりわけ靴は試し履き出来ずに、ECで販売することは難しいとされておりました。

しかしドイツやアメリカでは靴の通販サイトはビジネス的には成功しております。
同社の田中社長が以前動画で話していた、
アメリカの靴の通販サイトのZapposを以下紹介致します。

ロコンドの事業モデルのベースになっているアメリカの靴の通販「ザッポス」

ロコンドの事業モデルはアメリカの靴の通販サイトZappos (ザッポス)をベースにしております。ザッポスは1999年にサンフランシスコで創業、靴の通販サイト。当時のECの常識を打ち破る「返品OK」対応を実施。その後も売上を伸ばし続けて、2009年にAmazonの傘下に入っております。

Shoes, Sneakers, Boots, & Clothing + FREE SHIPPING | Zappos.com
GET FREE SHIPPING & RETURNS! We have 1000s of styles of shoes & Zappos legendary 365-day return policy + 24/7 friendly customer service. Call 1-800-92

ロコンドはザッポスのビジネスモデルにかなり近いです。ザッポスは年間20億ドル(2000億円強)の売上を挙げており、ロコンドは日本のザッポスを目指しているのかもしません。

ロコンドは返品OKということで、ユーザーからの返品率が気になるところですが、決算資料を見てみたところ、ざっくりと取扱高ベースでおよそ2割の返品が計上されております。

ECでの靴販売のメリット

ECで靴を販売することのメリットとして、圧倒的な取扱点数があげられます。
小売店などの店舗販売では在庫スペースの問題があり、扱いきれないSKU(サイズ、カラー)が発生します。
※靴は1足1足は箱に入って梱包されているため、在庫スペースが圧迫されます。小売店であれば在庫スペースの問題で色サイズを縮小する判断もされることもありえます。
ECであれば物流スペースさえ確保しておけば、販売スペースを気にせずに包括的に取り扱うことが出来ます。

プラットフォーム事業

ECモール事業に次いで、同社の主軸であるプラットフォーム事業についてですが、他社ブランドのECプロットフォームの提供、運営、物流、顧客対応等、ECで必要な業務の支援を行っております。21年の2月期決算の段階では32ブランドとの契約があります。
一例ですが、サマンサタバサはロコンド内でも出店しておりますが、自社ECも展開しております。

サマンサタバサグループ|公式オンラインショップ
サマンサタバサ直営のファッション通販サイト。サマンサタバサやサマンサベガなど楽しく素敵に女性のライフスタイルを演出し多くの女性に支持されるブランド公式サイトです。

このサイト、ロコンドが裏方として運営しております。
コロナ禍により小売店での販売は苦戦しており、各企業はECサイトでの販売へシフトを目指している動きが顕著にありますが、ロコンドはそういった企業のEC販売支援と言ったポジションをとっております。

同業者比較

大手モール(ZOZOTOWN、Amazon、楽天)

大手としてはZOZOTOWN、Amazon、楽天の3社が挙げられます。ZOZO(年間取扱高3500億円程)でファッションECとしては国内最大規模です。楽天はファッションカテゴリで約7500億円と公表されております。Amazonはファッションカテゴリの取扱高は公表されておりませんが、楽天と同程度ではないかと推測されます。

中規模モール(ロコンド、SHOPLIST、マガシーク)

ロコンドは上記3社の次に規模が大きい、中規模(2番手)グループに該当します。このグループにはロコンドの他に、SHOPLIST、マガシークあたりが挙げられます。各モールの年間取扱高は200-300億円程度で、大手モールとはかなり規模感が異なります。

ちなみにSHOPLISTの親会社であるクルーズは上場企業、マガシークも上場しておりましたが、現在はドコモ系列になっているため、上場廃止しております。

同業者から比較したロコンドのユニークポイント

委託販売モデル

ロコンドは上記企業の中ではZOZOと近い取引形態をとっており、基本的には各ブランドから商品在庫を預かり、実際にユーザーが購入した分のみを仕入れ計上(委託販売)を行っております。

ロコンドの在庫内に商品があっても、これはブランドの商品在庫を預かっている状態で、ロコンドの資産には計上されません。実際にモノが売れたときに、ブランドからの手数料を売上計上するビジネスモデルとなっております。

例:ロコンド-ブランド間で販売手数料35%で契約を結んでいる場合、そのブランドの10,000円の商品がロコンド内で売れる→ロコンドは手数料として35%の3,500円を売上計上、差額はブランドの取り分となる。

委託販売の最大のメリットは、(財務上は)在庫を一切持つ必要がなく、在庫リスクはメーカー(ブランド)が全て背負います。

デメリットとしては、プラットフォームとしての魅了(販売力、集客力)がなければ、ブランド側が手数料の高さに嫌気を感じてしまうことです。ロコンドで販売する積極的に理由がなければ、ブランドの誘致が進みにくくなってしまいます。また手数料が他社モールと比較して高すぎると、ブランドにとって負担になってしまうので、適切な手数料を維持しながら、ブランド数を維持・拡大することが、ロコンドにとって、最大のポイントとなります。


ただし、昨今は大手ブランドは店舗販売だけではなく、EC販売にも力を入れており、ロコンドやZOZOなどの他社モールではなく、自社ECを直接立ち上げて運営、店舗×ECの売上拡大に舵取りを行っております。

この流れは今後も促進していくと思いますので、自社ECに舵をとっている大手ブランド以外の、中小規模のブランドにとって魅力的なプラットフォームを提供できるかが鍵となりそうです。

幅広い購入層

メインの購入層は30-50代の女性ですが、他社モールと比較すると少し異なる年齢層を押さえているのが同社の強みだと思います。

ZOZO 20-40代の女性がメインの購買層

SHOPLIST 10-30代の女性がメインの購買層

正確なデータがなく個人的な予測ですが、Amazonは男性の購入層に強く、楽天は女性購入層が強いと思っております。

また次の項目で詳しく記載いたしますが、ユーチューバーと協力したD2C販売により、様々な特性の年齢層に今後はアプローチしていけるのではないかと思っております。

D2Cによる自社商品開発、販売

D2Cとは製造者(この場合はロコンド)が商品企画、製造、マーケティング、販売まで一貫して、直接購入者にアプローチするビジネスモデルです。

Direct to Consumerの略で、自ら企画、生産した商品を広告代理店や小売店を挟まず、消費者とダイレクトに取引する販売方法を指します。ソーシャルメディア(SNS)やECサイト、直営店舗で消費者とコミュニケーションをとり、生産した商品を販売します。アパレルブランドや美容化粧品ブランドの多くが採用している形態で、ここ数年でよく取り上げられるようになりました。

https://keywordmap.jp/academy/d2c-direct-to-consumer/

ユーチューブを積極的に活用した自社商品開発、販売を2020年から行い、これが大ヒットしました。
ユーチューバーのヒカルとコラボしたReZARDの靴は第一弾は開始一週間で6億円の売上を達成しました。

【速報】6時間で○億売れて新記録更新!ヒカル砲炸裂でまたもロコンドサーバーダウンしメンテナンス突入の緊急事態に…

これを皮切りにユーチューバーとの取り組みは加速していくと予想されます。
またポイントとなってくるのは、これが一過性のムーブメントなのかどうかです。

私自身はこの流れ(D2C)は今後のアパレル大きなテーマの1つとなると思っておりまして、同社は先行してこの流れに乗れていると思っております。

話は少しそれますが、繊研新聞(繊維、アパレル関連の新聞)の最近の記事を見ておりますと、「EC」「D2C」「サステナビリティ」の3テーマに関する記事が非常によくみられました。特にECについてはコロナ渦によって、その動きが業態全体で加速させられました。ECでの販売が加速していけば、販促方法としてSNSが活用されると思います。そうなれば、インフルエンサーの力を使って商品販売を行うことがとても効率的だと思いますので、EC×D2Cは非常に相性が良いと思っております。

2021年以降も様々なユーチューバーとコラボしながら商品販売を行っていくと考えられますし、一回一回の企画では当たりはずれがあるかもしれませんが、同社の今後の成長ドライバーになるのではないかと踏んでいます。
またユーチューバーによっても視聴者層が異なるので、例えばロコンドがあまり得意ではない男性の購買層をユーチューバーの力で集客することも可能だと思います。

ファッションEC 今後の市場規模について

同社の決算資料の中から今後の市場規模についての説明資料をご紹介します。

file:///C:/Users/rmhk4/Downloads/2030%E5%B9%B4%E9%95%B7%E6%9C%9F%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3.pdf

現在の日本ファッション市場におけるEC購入比率は15%ほどで、2030年には30%まで上昇すると推定しております。

file:///C:/Users/rmhk4/Downloads/2030%E5%B9%B4%E9%95%B7%E6%9C%9F%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3.pdf

このスライドで表示されている3.5兆円が2030年にの推定ファッションECの市場規模となります。
ファッション市場は、ユニクロを筆頭にファストファッションの流行により、製品単価がさがっております。製品点数自体は増えておりますが、製品単価が下がっているため、市場全体の規模(流通金額ベース)は下がっております。
とはいえ、衣料品は人々の生活には必需品だと思いますので、現在のファッション市場規模である11.8兆円は10年後にもそんなに大きく変動していないと思います。(人口減によるマーケット縮小はあるかもしれません。)

以下、過去のファッション市場規模については、経済産業のレポート資料を載せておきますのでご参照ください。

https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seizou/apparel_supply/pdf/report01_03_00.pdf

業績

まずは同社の年間売上推移です。過去五年間にわたってのCARG(年平均成長率)は37.3%となっております。これは取扱高ではなくて、損益計算書に計上される売上高(自社EC事業はブランドからの手数料)です。


続きましては年間利益の推移です。19年、20年は当期利益が赤字となっておりましたが、21年からは黒字となっております。同社は売上を拡大させている段階ですので、あまり利益には固執する必要もないと思いますし、利益をため込まずに取扱高を拡大させる投資に回してほしいと思っております。


続きましてはロコンドが決算資料で発表している長期的な取扱高の推移です。(https://www.locondo.co.jp/irより引用)

今後10年に渡って年平均成長率17%の取扱高成長を達成すれば、2030年の段階で1,000億円の取扱高達成となります。


続きまして、各セグメントごとの商品取扱高のグラフです。

(https://www.locondo.co.jp/irより引用)

主力事業であるECモール、BOEM(プラットフォーム事業)の成長率に注目しております。特にBOEMの成長率は20年は77%,21年は30%とぶれがあります。この事業は契約しているブランド数の維持や契約内容に大きく依存すると思っております。ただし包括的なEC支援を行っている同事業を安易に契約を打ち切ることは難しいと思っているので、長期的には安定した成長を見込めるのではないかと思っております。

株価、時価総額

最後に同社の株価の推移を確認します。※2021/5/3時点

2017年上場来の株価の推移です。2020年に大きく上昇局面がありましたが、これはD2Cによる売上増の期待が先行しており、過熱感があったからだと思います。

また現時点での時価総額は19,717百万円となっております。
参考までにZOZOTOWNを運営するZOZOの時価総額は1,149,967百万円あります。

ZOZOはロコンドとビジネスモデルが近いので、取引高ベースに時価総額と株価の比較を行ってみました。

企業時価総額(百万円)年間取扱高(百万円)※最新決算参照時価総額/取扱高
ZOZO1,149,967355,7613.23倍
ロコンド19,71720,5640.95倍

単純な取扱高ベースのみで比較すると株価はロコンドのほうが割安です。ただしZOZOは収益率が非常に高く、ファッションECのマーケットリーダーで、ユーザーをがっつりと抱え込んでいます。その分の価値が現在の株価に反映されているのだと思います。

個人的にロコンドは今後も順調に推移していく(決算資料にでている年平均で17%成長は達成可能)と思っておりますので、長期的には現在の株価は安いと思っております。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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